とある大企業のサラリーマンの備忘録

東証一部上場のサラリーマンの備忘録です。生きる事や働く事にあれこれ疑問を感じながら生きています。ブログ記事は様々な話題に派生しますが、働くってなに?人生ってなに?と思う所を中心に書いています。

会社の意志はどこまで伝わるか

弊社は所謂大企業とやらでグループ会社の従業員総数は数万人に及ぶ。

 

今日、部内各グループのグループ内会議があった。

会議参加数は15人。年度初めという事もあり、1時間半の会議となった。

会議内の内容は説明事項が8割、2割が決定事項であった。

 

説明事項の中で会社の現状、今後の経営方針の説明があった。

管轄上司から2020年度の暫定決算報告や2021年度の経営方針などの説明がされた。

 

「何としてでも今年度は黒字転換させる」これがテーマである。

そのあとで数千万、数億円、昨対比〇〇%というような巨額な収益や費用、普段の業務では想像も出来ない金額や数値の説明を多く受けた。

私以外の社員の反応を見ていると内容にピンときている社員があまりいない。

 

人件費として数千万の費用があった。

と言われても人件費の数億円がどういう人員繰りで費用となったのかが見えないからだからなのだろうか。

端的にこういった数値に興味を覚えないからだろうか。

 

私が現在所属している部署は現場業務と言われる部署だ。

日々与えられた目の前の業務に取り組む。

自分の努力によって売り上げが増えたとしてもインセンティブとして給与加算されることはない。

そして自分のミスによって数万の支出が発生したとしても給料から天引きという事はない。

その為、自分事として捉える事が出来ないのだろう。

毎日決められたことをやる、成功も失敗も給与には関係ない。

こういった状況である為、説明をされた決算資料の数字を見て驚く人もいないようだ。

 

あまりにも普段の業務とかけ離れ過ぎて黒字化になる方法もわからないだろう。

私もそんな政策など思いつかない。ただこのまま会社が怪しいという危機感は持っている。

 

どうしたら会社の現状、経営方針を自分事として捉えるようになるのだろう。

自分が周りより経営感覚に長けている、会社の事を考えている。というつもりはない。

 

私も数年前は興味が無い側の人間だった。

以前、会社の数字を扱う部分に異動した事があり、会社経営の一部に関わる事務職の業務をしたことがあった。

そこから会社の経営方針や費用支出やB/S、P/Lに興味を持つようになっただけである。

 

その為、こういった部署を経験しない限り、経営方針など興味が湧かないのだろう。

しかしながら会社の人件費など多くのお金を動かす部分は我々現場の部署にある。

 

上司は自分の説明パートが終わると会議室を後にした。

グループ内の人間にどこまで会社の意志が伝わったか確認している様子も特段無い。

説明するという責務は果たしている。ただ、説明するだけでは会社は動かない。

 

実際に会社の意志を平社員の1人1人の行動を変容させる為に誰かが奔走する必要があるように思える。

それは上司が1人でやるには限りがある。グループ長が如何に平社員をやる気にさせるかが、鍵なのかもしれない。

会社を変えるのはお偉いさんの方針なのだろうが、最終的に会社を変える原動力は何でもない我々平社員の数千、数万の従業員の行動に他ならない。

 

弊社は銀行から多額の融資を受けており、資金繰りのリミットもある。

このまま赤字が続けば会社は倒産する。

東証一部上場企業ではあるがそんなことは関係ない。

 

黒字転換に向けて1人1人が考えて行動する必要がある。

ただこの行動変容は難しい。

 

このままでは去年と何も変わらない1年を過ごすように思える。

 

会社の意志はどこまで伝わるかという会社の本気度を試されている。